2002年1月31日更新
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ボレリア属Genus Borrelia


ダニ,回帰熱,ライム病,螺旋菌
ボレリアは,特にげっ歯類,鳥類に寄生し,シラミやダニなどの節足動物を介してヒトに感染し風土性の回帰熱を起します. 多くの抗原型があり,病原性をもつボレリアは少なくとも数十種類以上が確認されておりそのいうずれもがダニ媒介性またはシラミ媒介性に属します.シラミ系の1種とダニ系では12種に大別されます. シラミやダニがヒトを刺咬し吸血するさい,このシラミやダニを押しつぶした時に,刺傷口から,その唾液や排泄物にいる病原体により感染します.ダニ媒介性の回帰熱の場合,ダニの分布地域と患者の発生地域はほぼ一致しています.
回帰熱ボレリア げっ歯類小動物や鳥類などを保菌動物としており,ダニ(オルニソドロス属ダニ)や野生のシラミによって媒介するスピロヘータ感染症です.最も広範囲にみられアジア,アメリカ大陸やアフリカ,中東,ヨーロッパに分布し多く患者の発生が見られています.日本では少なくともきこ数十年は患者の報告はされていません.

回帰熱の臨床症状としては菌血症である発熱期と感染は続いているものの菌血症がおこっていない状態(無熱期)が繰り返され,いわゆる回帰熱の症状を呈します.すなわち, ヒトに感染すると約1週間の潜伏期ののちに,悪寒,発熱をともなって急激に発症し,頭痛,筋肉痛,関節痛,咳,脾種や黄疸,バラ疹に似た発疹などがおこります.熱は,3~7日続いた後に一旦下がります(発熱期).その後1~2週間血中に菌も見出されません時期が続きます(無熱期).無熱期は菌は血中に見出されませんが,発汗,倦怠感,時に低血圧症,斑点状球疹がみれることがあります.この無熱期の後に再び発熱します.発熱期には血中に多数のボレリアが再び見出されます.このような発熱は2~4回繰り返し,次第に軽くなります.

感染経路は,患者を吸血しにきたコロモジラミから感染します. 致死率は患者の健康状態にもよりますが,通常2-5%,治療をしていない場合は数%~30%に及ぶといわれています. 免疫学的に異なる変異株が多いのでワクチンは開発されていず,予防としてはダニやシラミの多いところに行ったり,ふれたりシナことが大切であるとされています. 治療には抗生物質が有効です.

ライム病 野ネズミ,小鳥類を保菌動物とし,野生のシラミやダニによって媒介されるスピロヘータ感染症です.世界各地に分布し日本にも見られるます.
  • 感染初期
    マダニ刺咬部を中心として,限局性の特徴のある遊走性紅班がみられることが多くあります.頭痛,悪寒,筋肉痛,関節痛,発熱,倦怠感などインフルエンザ様症状をあらわすことがあります.

  • 播腫期
    体内循環によって病原体が全身に拡散されます.皮膚症状,神経症状,眼症状,心疾患,筋肉炎,関節炎など多彩な症状が見られます.

  • 慢性期
    数ヶ月ないし数年かかって慢性期になり,慢性期には播腫期の症状に加えて,慢性の遊走性紅班を伴う関節炎,慢性脳脊髄炎といった症状が続きます.

治療にはペニシリンが有効性をしめします.

ダットンボレリアおよびその他の回帰熱ボレリア アフリカに分布し,マダニの一種が患者を吸血すると終生感染力を保有しヒトに感染します.中南米,中央アジア,ヨーロッパにはマダニをベクターとする回帰熱ボレリアが10種以上知られています.いずれも臨床症状は回帰熱ボレリアと類似しています.