シガテラ中毒


食中毒を起こす魚の一つにシガテラがある.シガテラとは熱帯~亜熱帯の主にサンゴ礁に生息する魚類である.シガテラのように,シガテラ中毒は,このような場所に生息す魚類(時に貝類)を食べることでおこる致死性の低い食中毒の総称で,シガテラ中毒を起こす毒魚は300種類にものぼります.特に日本漁船の操業範囲が南洋海域まで広がったことで,この海域で取れる魚類を食べることに伴った生じてきました.多く出している どの種の魚がと決まっているわけではありません特にバラフエダイなどで良く起こります.

魚の毒化機構

これらの魚は元来毒はもっていませんが,その海域の海藻に付着していたプランクトンの一種である渦鞭毛藻を食べます.渦鞭毛藻中に存在する毒素成分であるシガトキシンン,マイトトキシン,パリトキシンなどの毒素を体内に蓄積させて,内臓や筋肉中に毒素をもつようになります.一般に肝臓,その他の内臓,精巣,筋肉の順に毒性が強いといわれています.また,複数種の毒素があるために,中毒症状も関与する有毒物質によって異なります.

このような魚をヒトが食べることによって起こるがシガテラ中毒と呼ばれるものです.日本では沖縄,奄美地方で見られ,特にこの地方の漁業関係者には比較的よく知られています.

症状

一般に口唇の,舌,顔面の痺れのあと,吐気,嘔吐,頭痛,下痢,筋肉痛,脱力感,チアノーゼ,関節通などが起こります.特にシガテラ中毒特有の症状にドライアイスセンセーションと呼ばれるものがあります.これは冷たいものや水に触れると,ドライアイスに触った時のような,手がピリピリとした痛みを感じたり,熱い物を触った時に冷たく感じたりする感覚異常です. シガトキシンはフグ毒であるテトロドトキシンの100倍程度の猛毒で,すでに人工的に合成されて,毒性が確認されています.その構造は巨大で複雑なポリエールであり,海産性天然化合物の中でも有数の毒性を示しています.  シガテラ中毒の症状は以上のとおりですが,多くの場合は軽症ですみ,数日~数週間で症状がおさまる場合が多くいのですが,まれに重症の場合,痙攣,麻痺から昏睡状態に陥ったり,死に至る場合もあります. まとめると 一般的には感覚異常などが多いが,フエダイ類などによる中毒では神経系障害とともに消化器系障害が主として症状に現れるなど,食性の違いによって症状が異なります. その他類似にもので,アオブダイがスナギンチャクを食べることから,スナギンチャクの毒がアオブダイの中に蓄積することでおこるアオブダイ中毒があります. シガトキシンはナトリウム透過性を高める作用があります. バリトキシンは,イオンチャンネルに作用して,これを塞ぎ,細胞内にナトリウムをとりこませないようにし,インパルスの発生がおこらず,神経信号が筋肉に伝わらず麻痺をおこすと考えられている. シガテラは部位差,個体差,地域差があるため同じ種類の魚でも,食中毒を起こすものとおこさないものがあります.