接合


接合とは大腸菌で発見された高等生物の有性生殖に似た現象です. 違う遺伝子をもつ細菌同士を混合培養するとおこる現象で,ある細菌(供与菌あいはオス)の遺伝子の一部または全部が他の細菌(受容菌あるいはメス)に移つることを言います.すなわち接合は細菌の遺伝形質を他の細菌に伝達する方法の一つで,生体と生体の接触によって遺伝情報を伝達するのです. この場合,遺伝情報を供与体としての能力は接合プラスミドがもつ接合伝達に関する遺伝子によって決定されます.

接合は遺伝供与体(雄)と遺伝受容体(雌)の直接的な接触によって始まります.雄性の遺伝情報を支配する遺伝因子は大腸菌で発見されたF因子とよばれるプラスミドが最初です.F因子は細胞と細胞の直接的な接触いがいでは伝達されません.F因子をもつ細胞をF+,F因子をもたない細胞をF-と表します.F菌とF-菌の接合によって組換えがおこる頻度は1×10-5と通常非常に低いが,まれにその1000倍以上高頻度に組換えが起きるものがあります(Hfr).F因子は細胞質性,染色体性と細胞内で二つの存在状態をしめすものがあります. 接合現象は大腸菌ばかりでなく腸内細菌や緑膿菌でも発見されています.

F因子における接合伝達の過程

  1. 供与菌(雄菌)の線毛(性線毛)の先が受容菌(雌菌)に結合します.
  2. 両菌が接合橋(一時的な細胞融合)によってつながります.
  3. 細菌細胞が接合するとそれが引き金となってFプラスミドDNAのtra-オペロン上の一方の鎖の定点に切れ目が入りFプラスミドの相補鎖が複製をはじめます.
  4. それと同時に供与菌から5'末端を先頭に受容菌へ接合橋を通じて移動します.
  5. 受容菌内においてDNAポリメラーゼにより相補的な鎖が作られ,供与菌と受容菌が離れ受容菌にもFプラスミドが作られ,雌菌が雄菌に転換されます.

Rプラスミド(R因子)


戻る